管理用ネットワーク構築

ネットワーク

管理用ネットワークの構成

ESXiは仮想スイッチ(L2)やポートグループ(VXLAN 論理ネットワーク)、VLANを追加することはできますがネットワーク間をルーティングする機能はなくVLANをまたいだ通信もできません。

しかしこれではESXi外部のPCからESXiの仮想マシンと通信するためにはPCとESXi筐体、仮想マシンをどれも同じネットワーク上に配置しなければならなくなってしまいます。これを本物のシステムに当てはめると社外も社内も本番サイトもDRサイトもみな同じセグメントのIPアドレスを使っていることになわけですからあまり具合がよろしくありません。

そこでESXi内外とシステムの通信に使用する4つの管理用ネットワーク、システム外からシステムへの接続に使用する3つのネットワーク、各ネットワーク間のルーティングを行う4台(論理台数)の仮想ルータを用意して異なるセグメント間で相互に通信が可能な環境を構築しようと思います。

【管理用ネットワーク】

環境ネットワーク
ESXi全体外部通信用ネットワーク
ESXi全体ルーティング用ネットワーク
本番サイト本番サイト管理用ネットワーク
DRサイトDRサイト管理用ネットワーク

【システム接続用ネットワーク】

環境ネットワーク
システム外本番サイト接続用ネットワーク
システム外DRサイト接続用ネットワーク
システム外クライアント接続用ネットワーク

【仮想ルータ】

仮想ルータ接続ネットワーク用途
ESXiゲートウェイ外部通信用ネットワーク
ルーティング用ネットワーク
ESXi外部 – 本番サイト、ESXi外部 – DRサイト間の通信経路を制御
ESXi外部とESXi内部の通信のゲートウェイとして機能
(2台の仮想ルータをVRRPで冗長化)
本番サイト・ゲートウェイルーティング用ネットワーク
本番サイト管理用ネットワーク
本番サイト – ESXi外部、本番サイト – DRサイト間の通信経路を制御
本番サイト外部と本番サイト内部の通信のゲートウェイとして機能
(2台の仮想ルータをVRRPで冗長化)
DRサイト・ゲートウェイルーティング用ネットワーク
DRサイト管理用ネットワーク
DRサイト – ESXi外部、DRサイト – 本番サイト間の通信経路を制御
DRサイト外部とDRサイト内部の通信のゲートウェイとして機能
クライアント接続用ルータ本番サイト接続用ネットワーク
DRサイト接続用ネットワーク
クライアント接続用ネットワーク
クライアント(仮想マシン)、本番サイト、DRサイト間の通信を
ルーティング

仮想スイッチ

ESXi内部のネットワークはポートグループとして定義します。ポートグループには接続する仮想スイッチが必要です。仮想スイッチには複数のポートグループを接続することが可能ですが、ここでは仮想スイッチとポートグループを1:1で構成します。

外部通信用仮想スイッチと内部通信用仮想スイッチの作成手順はほぼ同じですがアップリンク(vmnicの割り当て)設定が少し異なります。それぞれの手順に従って各仮想スイッチを作成します。

【外部通信用仮想スイッチ】

仮想スイッチ名vSwitch
外部通信用仮想スイッチvSwitch1

【外部通信用仮想スイッチ作成手順】

No.操作
1ESXiコンソールの画面左の「ネットワーク」をクリック → ネットワーク管理画面表示
2画面上部「仮想スイッチ」タブをクリック → 仮想スイッチ管理画面表示
3「標準仮想スイッチの追加」をクリック → 仮想スイッチ作成画面表示
4以下の通り設定
 仮想スイッチ名:vSwitch1
 アップリンク 1:デフォルトのNIC(使用可能な物理NICが選択されていることを確認)
5「追加」をクリック → 仮想スイッチ作成画面終了
6ネットワーク管理画面の一覧に仮想スイッチが追加されたことを確認

【内部通信用仮想スイッチ一覧】

仮想スイッチ名vSwitch
ルーティング用仮想スイッチvSwitch2
本番サイト管理用仮想スイッチvSwitchp1
DRサイト管理用仮想スイッチvSwitchd1
本番サイト接続ネットワーク用仮想スイッチvSwitchc1
本番DRサイト接続ネットワーク用仮想スイッチvSwitchc2
クライアント接続ネットワーク用仮想スイッチvSwitchc3

【内部通信用仮想スイッチ作成手順】

No.操作
1ESXiコンソールの画面左の「ネットワーク」をクリック → ネットワーク管理画面表示
2画面上部「仮想スイッチ」タブをクリック → 仮想スイッチ管理画面表示
3「標準仮想スイッチの追加」をクリック → 仮想スイッチ作成画面表示
4以下の通り設定
 仮想スイッチ名:【内部通信用仮想スイッチ一覧】vSwitch参照
 アップリンク 1:右端の×ボタンをクリックして削除
5「追加」をクリック → 仮想スイッチ作成画面終了
6ネットワーク管理画面・仮想スイッチ一覧に作成した仮想スイッチが追加されていることを確認

ポートグループ作成

ポートグループとポートグループに割り当てるネットワークアドレスを決定します。ESXi外部から管理ネットワークへのルーティングをまとめて行うため、各ポートグループにはクラスBのプライベート・ネットワークアドレスを割り当てます。

【ポートグループ一覧】

環境ネットワーク仮想スイッチポートグループ名ネットワークアドレス
ESXi全体外部通信用ネットワークvSwitch1Global Network192.168.11.0/24
ESXi全体ルーティング用ネットワークvSwitch2ESX Rooting Network172.16.1.0/24
本番サイト本番サイト管理用ネットワークvSwitchp1Production MG Pub Network172.16.10.0/24
災対サイトDRサイト管理用ネットワークvSwitchd1DRSite MG Pub Network172.16.20.0/24
システム外本番サイト接続用ネットワークvSwitchc1Company Area1 Network172.16.110.0/24
システム外DRサイト接続用ネットワークvSwitchc2Company Area2 Network172.16.120.0/24
システム外クライアント接続用ネットワークvSwitchc3Company Area3 Network172.16.130.0/24

【ポートグループ作成手順】

No.操作
1ESXiコンソールの画面左の「ネットワーク」をクリック → ネットワーク管理画面表示
2「ポートグループ」タブ – 「ポートグループの追加」をクリック → ポートグループ作成画面表示
3以下の通り設定
 名前:「ポートグループ一覧」参照
 VLAN ID:0
 仮想スイッチ:「ポートグループ一覧」参照
4「追加」をクリック → ポートグループ作成画面終了
5ネットワーク管理画面・ポートグループ一覧に作成したポートグループが追加されていることを確認

仮想スイッチとポートグループの作成が完了したら次は仮想ルータを構築します。

参考情報

「管理用ネットワーク構築」を書くにあたり、以下のサイトを参考にさせていただきました。

VyOSをインストールしてからSSH接続するまで #Linux – Qiita
VyOSを使った純粋なルータ作り – 虎の穴ラボ技術ブログ
複数セグメントを接続するルーターの作成 後編 – すらりん日記
VyOS で DNS フォワーダーを構成する #DNSフォワーダ – Qiita
VyOS – Open source router and firewall platform (vyos公式サイト)
Running on VMware ESXi — VyOS 1.5.x (circinus) ドキュメント
High availability — VyOS 1.5.x (circinus) documentation
押さえておきたいvSphere の基本~ネットワーク編 第1回~ – VMware Japan Blog
https://chatgpt.com

厚くお礼申し上げます。

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