一台のラックマウントサーバ上の仮想化基盤に一定レベルの可用性とセキュリティを考慮した3層Webシステムを構築しながら、その過程をこのブログに書いていきたいと思います。
システム構成全体の概要は以下の通りです。
- 本番サイトとDRサイトで構成
- 本番サイトとDRサイト、仮想環境の内と外でネットワークを分離
- 本番サイトの機器・ミドルウェアは冗長化、必要に応じてHAクラスタ化
- DBはOracle RAC構成(3ノード構成)
- アプリケーションサーバはWeblogic
- システムのフロントエンドのゲートウェイにロードバランサを配置
- システム監視その他雑用係として管理サーバを設置
- DB監視としてOEMを構築(本番サイトのみ)
- DRサイトの機器・ミドルウェアは非冗長構成
(ただし将来のスケールアウトは考慮)
なお構築の範囲はインフラまわりのみでアプリケーションは含みません。ただしWeb~DB接続確認用のアプリは作成します。
OS/ミドルウェア/ソフトウェア
OSはRHEL及びRocky Linux、DB、アプリケーションサーバ、OEMはOracle製品、その他の機能はOSバンドル・パッケージ、OSSその他無償製品を使用します。
OS、Oracle製品のバージョンは本日(2025/4/5)現在、開発者ライセンスでダウンロード可能な製品バージョンの中の最新バージョンとします。(DBサーバのOSはOracle要件によりRHEL8の最新ver.を使用します)
その他の製品バージョンは特別な要件がない限り記事を書いている時点の最新バージョンを使用します。
システムへの実装を想定している主な機能と製品は以下の通りです。
機能 | 製品 |
OS | RLEL9.5、RHEL8.10、Rocky Linux v9.5 |
DB | Oracle Database Enterprise Edition 21.3 |
アプリケーションサーバ | Oracle Weblogic 14.1.1.0.0 |
Webサーバ | Apache HTTP Server |
クラスタウェア(管理・OEM) | pacemaker |
クラスタウェア(LB) | keepalive |
ロードバランサ | HAProxy |
監視(全体) | nagios |
監視(DB) | Oracle Enterprise Manager 24ai |
仮想化基盤
システムを構築する仮想化基盤には私が5、6年前に検証用環境として中古で購入した10年落ちのラックマウントサーバを使用します。
モデル DELL PoweEdge R620
2CPU 16コア
メモリ128GB
データストア用記憶域 2TB(SSD)
物理アダプタ(NIC)4ポート
ハイパーバイザ VMWare ESXi6.5
型は古いですがリソース的にはかなり余裕がありシステムに必要な仮想マシン一式作って放り込んでもなんとかなりそうです。ただしハイパーバイザ(ESXi6.5)はRHEL9によるESXiサポートバージョン(ESXi7以降)には含まれていません。
RHEL9のリリースがVMWareによるESXi6.5、6.7サポート終了のちょっと手前だったので、動く動かない以前にRed Hat側ではESX7以降しか検証しなかったのではないかとも思えますが、正確なところは不明です。
今のところ、RHEL9をインストールした仮想マシンでハイパーバイザに起因するトラブルが起きてはいないので、このサーバを使用します。
まず最初に管理ネットワークの構築から始めます。
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